ある日、瀬名くんが女子生徒の血を吸っているところを見てしまった。

『何…してるの?』

血を吸われて、地面に倒れている女子生徒を見て、私は誰か呼んでこようとした。

『待て。人は呼ぶな。気を失ってるだけだ。この女の傷は治すし、血を吸った記憶も消す。何も問題はない』

『あなたは、人間じゃないの?』

『そうだ。俺は人間じゃない。ヴァンパイアだ』


その日から、私と瀬名くんは約束をした。

瀬名くんがヴァンパイアということは周りには黙っていること。

もう他の人の血を吸わない代わりに定期的に私の血を吸わせること