「私、ずっと寂しかったら。あの家に一人でいるのが。ここで暮らせば、瀬名くんとずっと一緒にいられるもんね」

「…なら一つ提案がある。俺の番《つがい》になってほしい」

番《つがい》…?

「番とは、一種の契約だ。それを結べば、俺はお前の血しか飲めなくなる。ヴァンパイアは定期的に人間の血を飲まなければ弱ってしまうんだ。特に人間の女の血は格別で、お前はその中でも極上の血を持っている。俺はお前が欲しい」

誰かから求められたのは瀬名くんが初めてだった。


瀬名くんは数ヶ月前に私のいる学校に転校してきた。

転校してきた瀬名くんは、学校中で瞬く間に人気になった。