こんな状態では家に帰ることができない。

「目が覚めたか」

いつの間に部屋に入ってきたのか目の前に瀬名くんがしゃがんでいた。

「なんか貧血みたいで、立てなくなっちゃった」

すると瀬名くんは、私を抱き抱えて、ベッドに運んだ。

「なら今日は泊まっていくといい。家に帰っても一人なんだろ?」

瀬名くんは、私の横に寝転んだ。

「そうすればこうやって抱きしめて添い寝だってしてやる。寂しい思いをしなくていいんだ。なんなら一緒に暮らさないか?」

その言葉に心が揺らいだ。