……あっ、でも。吏くんに泣かされたわけじゃないことは、吏くんの名誉のためにも言っておこう。

「つーか、こんなところで、うだうだやってるヒマねぇんだ。さっさと練習に戻るぞ」

名誉をばん回するつもりが、吏くんが口を挟んだので、言い損ねてしまった。
でも、吏くんの言うとおりだ。なによりも練習!

そのあとの午後のレッスンでは、みんなで意見を交換しながら、劇をよりよくしようと力を合わせていった。