友達になったら寿命を交換する、そんな約束初めてした。




てゆーか寿命って交換出来るんだってことに驚いてる。


だから今日は朝起きた時からなんだか落ち着かない…


「あ、千和!」

「……。」

明日も防波堤で!って約束をした今日、学校が終わって来てみると柊真はもう来ていた。

真っ白な長袖のTシャツに長ズボン、それ以上に肌も白いからこの海が近い町では浮いてるようにも見えて。

「なんか…荷物多くない?」

防波堤に腰かけ海の方に足を投げ出しブラブラさせて、後ろに手をついて顔を上げて私の方を見てるけどそれよりもその隣のでっかいボストンバックのが気になるんだけど何を持って来たの…?

「あ、これね!せっかく友達になったんだからさー、何して遊ぼうかなって考えてちょっと持って来てみたんだよね~!あ、千和も座って座って!」

ボストンバッグのチャックを開ける隣に座ろうと風で乱れる髪の毛を押さえながら海の方に足を投げ出した。

何して遊ぼうってどんだけ張り切ってるの?

そんなのどーでもよくない?

何でもいいんだけど…

「海の絵を描こう!!!」

「………はぁ?」

落花生みたいな口の形になっちゃった。

すっごい嫌と何言ってるんだって気持ちが混ざって、全面的に感情が出てしまった。

だって語尾上がってたし、はぁ~って。

「画用紙持って来たよ!これ絵の具ね、千和の分も筆持って来たから!あとパレット…は1個しかなかったから一緒に使お!」

「いや、待って待って!なんで海の絵なんか描かなきゃいけないの!?めんどくさいんだけど!」

「千和絵描くの嫌いなの?」

「嫌いとかじゃないけど、わざわざこうして遊ぶことでも…」

「じゃあ何して遊ぶの?」

何して遊ぶ…
って聞かれると、あんまり浮かんで来ないけど。

カラオケとかプリクラ?でも柊真と行くのもなんか違う気はする…

「えっと…あの…何って言われるとあれだけど、来月写生大会で海の絵描くし2回も描くのはちょっとあれだから…」

何でもいいからこれを断る理由になればいいかなって言ってみた。

「じゃあ予行演習だね!」

なのに逆に火が付いたっぽい。めっちゃやる気に溢れた声で目を輝かせた。

「写生大会の予行演習なんて聞いたことないよ!?」

「あってもいいじゃん!何でも練習は大事だよ、優勝目指そうよ!」

「写生大会に優勝はないの!あっても入賞だから!」

「じゃあそれで」