「原因はストレス、でしょうね」


病院の先生が言った。

「食事もあまり取ってなかったようですし、しっかり休んでしっかり食べれば徐々に回復に向かっていきますよ」

あんなに血吐いてたのに?

それでいいの?

大丈夫なの?

「念のため数日間入院で様子を見ましょう」

それだけ伝えられ帰された。

だってあんなに苦しそうで、振り絞る声で私に電話して来たのに…

「千和、いつまでそんなとこで立ってるの」

先生の話を聞いても落ち着けなくて病院の廊下に立ち尽くしている私をおばあちゃんが呼ぶ。お母さんの着替えとか取りに行かなきゃいけなくて、ぼぉーっとしてる暇なんてないのはわかってるんだけど。

「千和」

「……。」

ここから離れたくなくて。

「…お医者さまがそう言うんだから大丈夫よ」

「え?」

「早く帰るわよ、日が暮れる前に取りに行きたいから」

「……うん」

大丈夫…

大丈夫かな、お母さんは…