空が青い…

日差しが強い…

太陽が眩しい…


このまま溶けてなくならないかな。


「千和!」

半分閉じかけた目で名前の呼ばれた先を見た。

私の視界に入り込んで来た顔を。

「こんなとこで寝転がってたら暑くない?」

「…柊真」

「焼けちゃうよ、紫外線は肌に大敵なんだよ?」

「……。」

「てゆーか今日早くない?まだお昼にもなってない…」

柊真の顔を見たら、心の奥に張り巡らされてた糸がプツンと切れたみたいに涙があふれて来た。


ポロポロと私の中の何かが崩壊していくみたいに。


「千和?どうしたの…?」

もうどこへ行ったらいいかわからなくて。

「病気になったらね、お母さんが私のこと見てくれると思ったの…っ」

早く死にたいって思ってた。

今すぐにでも海に飛び込みたいって思ってた。


でも柊真に寿命を交換しようって言われた時、少しだけ期待してしまったの。


「きっと心配してくれると思った、もっと構ってくれると思った…そばにいてくれると思ったの」

両手の甲で目を押さえて、溢れて止まらない涙をただ流して。

「でも全然意味なかった、私のことなんてもうどうでもいいんだ…」

私の名前を呼ぶ声が冷たくて、名前を呼ばれるたびに凍っていく気さえして。

どんどん心がなくなっていった。


どうして私をそんなふうに呼ぶようになったの?

そんなに私が気に入らなかった?


私が…

お母さんの好きな人に会いに行ったから?


「千和…っ」

涙を拭って体を起こした。顔も髪の毛もぐちゃぐちゃだった。

「柊真も…知ってるでしょ?」

「え、何を?」

「私のこと」

「え…」

柊真と顔を合わせた。

こんな田舎町だどこで何言われてるかわかんない、たぶん知らない人はいないー…

「ごめん、何の話?」

「…知らないの?」

眉をハの字にして目を丸くして…

本当に知らないみたい、そっかまだ知らない人もいたんだ。

「お母さんに好きな人が出来てお父さんが怒って家を出て行っちゃったの」

だから柊真は私に話かけてくれたんだね。