柊真と寿命を交換して1週間、特にこれと言って実感することはないけどこれから何か変わったりするのかな?


どうなんだろう…




「自由研究しない!?」

そんでもってまた突拍子のないことを言っている。

「…まだ夏休みには早いけど?」

「自由研究は夏休みにするものって決まってないじゃん、好きな時にするのが自由研究でしょ!自由って言ってるんだから!」

「それは自由に研究していいってだけで自由な時間を使って研究するわけじゃない!」

柊真の遊びはよくわからない。

自由研究って、ここには他にすることないんだって思っちゃうじゃん!

…ないか、特には。
プリクラはギリあったけど古かったし、カラオケはおじさんたちが行くようなスナックしかなかった。

「これ千和のノートね」

まだやるって言ってないのにB5のノートが渡された。
柊真も自分用にノートをリュックから取り出す。

さすがに今日はあのでっかいボストンバッグじゃなかった、あれ持って来るの毎日大変そうだなって思ってたんだよね…

ん、そういえば。

「海の絵はどうなったの?」

ちょっと前までちょこちょこ描いてるのは見たけど、まだ完成してないって言ってどうなったのかわからないままだった。

「描き終わったよ」

「思う存分色塗れたんだ?」

「うん、だから写生大会は終わり!」

「……。」

あれ写生大会だったんだ。

そんな気持ちでは描いてなかったけど、予行演習がどうのとは言ってたねそういえば。

あと完成した絵は見せてはくれないんだ?

別にいいけど。それよりも今気になることがあるから。

「柊真、暑くない?」

「ん?」

初夏に入った6月日差しも強くなって防波堤に座ってるのはもう暑い、気持ちいいと思ってたコンクリートもじわじわと暑さが押し寄せるようになった。

なのに柊真はまだ長袖のTシャツを着ていた。

「オレ日焼けしたくないんだよね~、日焼けってなんか野蛮じゃ~ん?」

「……。」

確かに白くて一切太陽に触れてないんじゃないかってぐらい肌してるけどね。

私なんて日焼け止めさえもめんどくさくて、昨日お風呂入ったら腕に袖の跡が付いててびっくりしたもん。全然気にしてないけど。

「でもここ暑いよね、移動しよっか!あっちにベンチと日よけの屋根あるからあそこにしよ!」