「……っ!」


告白されてるのって、千葉くんだったんだ。


相手が千葉くんだと分かった途端、私は駆け出そうとしていた足を止めてしまう。


千葉くんが毎日のように告白されてるって、前に香菜が言ってたのは本当だったんだ。


「そっか……」


落胆したような女の子の声がして、そーっとドアの隙間から中を覗いてみると。


告白していたのは、同じ学年の女の子だった。


確か吹奏楽部の子で、クラスの男子の何人かがあの子のことを可愛いって言って騒いでたっけ。


そんなモテる子でも、振られちゃうなんて。


「ねえ、どうしてもダメ? 私、1年の時からずっと千葉くんのことが好きだったの」


それでもすぐには引き下がらずに、一生懸命頑張る女の子。


「ごめん。俺、好きな子がいるんだ」