放課後。


ふふっ。今日は千葉くんに 『お弁当作ってきて』って言われちゃった。


千葉くんに振られてからは、サッカー部の応援に行く回数が自然と減っていたけれど。


久しぶりにサッカー部の応援に行ってみようと思った私は、自販機でスポーツドリンクを買った。


最近は“友達”として、千葉くんとの仲が少しずつ深まっていってるのが、自分でも感じられて嬉しい。


この調子でもっと仲良くなれたら、いつか千葉くんにもう一度告白しても良いかな?


そんなことを思いながら、私がひとり昇降口へと向かって上機嫌で歩いていたときだった。


「好きです、付き合ってください!」


どこからかそんな声が聞こえてきて、私は足を止めた。


うそ。誰か告白してる!?


そう思い、声がしたほうに顔を向けると。


ちょうど通りかかった空き教室の扉が少し開いており、そこから顔を赤らめた女の子が立っているのが見えた。


こんな場面に遭遇するのは初めての経験で、心臓がバクバクと鳴り始める。


人様の告白現場を見たらダメ。そう思い、私が急いでこの場から駆け出そうとしたとき。


「ごめん。キミとはつき合えない」


空き教室から、千葉くんの声が聞こえた。