「え! その弁当、美桜ちゃんの手作りってマジ!? それじゃあこれ、ひとつもーらいっ!」


話を聞いていた永倉くんが、隣から私のお弁当のおかずを取った。


「こら! 柊、お前」

「んー。美桜ちゃん、この玉子焼きめっちゃ美味い」


永倉くんが、親指を立ててグーサインをしてくれる。


「そりゃあ、そうよね。あたしも、前に一度もらって食べたことがあるけど。美桜の作るものは、どれも絶品だもの」


うわ、香菜まで褒めてくれるなんて。

私は、頬が緩みそうになる。


「うわぁ。篠崎までそんなこと言ったら、俺も食べたくなってくるじゃん。なぁ橘、俺にもちょうだい? 弁当のおかず交換しよう」

「いいよ。はい、どうぞ」


私と千葉くんは、それぞれのお弁当のおかずをひとつずつ交換する。