ゴールデンウィークが終わり、千葉くんと同じクラスになって1ヶ月が過ぎた。


「おはよう! 橘」

「おはよう、千葉くん」


私と千葉くんは朝、教室で最初に顔を合わせると、お互い必ず挨拶をする。


「そうだ。これ、ありがとう」

「どういたしまして」

「橘がオススメしてくれたミステリー小説、面白すぎてGW中に全巻読んでしまった」


教室で席が前後の私たちは、二人とも読書が趣味ということを知り、小説や漫画本の貸し借りをするようになった。


そして学校の休み時間はお互いの友達の香菜と永倉くんを含めた4人で過ごし、昼休みにはそのメンバーでご飯を食べる。


学校では、いつも自然と4人で過ごすようになっていた。


今日もお昼休みに、いつものように机を合わせて4人でお昼ご飯を食べていると。


「いつも思うんだけど、橘の弁当って美味そうだよな」


千葉くんが、私のお弁当を横から覗きこんできた。


「もしかして、手作り?」

「うん、自分で作ってるよ」

「マジ? すっげぇ。俺、料理とか全然できないから尊敬する」

「あっ、ありがとう。私、料理するのは結構好きなんだよね」


千葉くんが褒めてくれたので、思わず照れてしまう。