「……今日の橘の髪型、可愛い」

「っ!」


もしかして千葉くん、私が今日ポニーテールにしてること、気づいてくれたの?


「あと、俺ら同じクラスだし。これからよろしくな」

「うっ、うん。こちらこそ、よろしくね」


千葉くんの爽やかな笑顔につられて、私も微笑む。



…──高校2年生。


まさかの、千葉くんと同じクラスになれた。


去年からずっと好きだった彼が、今日から私のクラスメイト。


そう思うと、口元が自然とゆるむ。


これから先、どんな高校生活が待っているのかな。


香菜と永倉くんも一緒だから、なんだか楽しくなりそうな予感。


淡い期待を胸に、私は先生の話に耳を傾けた。