「あっ、おはよー! 美桜。今日はポニーテールなのね。可愛い〜」


昇降口に着くと、香菜が私のところに駆け寄ってきた。


「ねぇ、美桜。早くアレ、見に行こうよ」

「うん、行こう」


香菜の言う“アレ”とは、そう。クラス表のこと。


私は香菜のあとに続いて、新しいクラス表が貼られている掲示板へと向かう。


……が。いざ来てみると。


全学年のクラス表が、一斉に貼りだされているからだろうか。


掲示板の前は見事に人、人、人だらけ。


こんなに人で溢れかえっていたら、見えっこないよ。


「ちょっと、美桜。何うさぎみたいに、ピョンピョン飛び跳ねてるの?」

「え? 少しでも見えるかなと思って、頑張ってジャンプしてみたんだけど」


前にいる人がみんな、長身の人たちばかりで。

身長150cmの私には、意味がなかった。


「こんなところにずっと立ってたって見えないから。ほら美桜、行くよ!」

「え!? ちょっと……香菜!?」


香菜は私の手を引いて、人混みの中をずんずんと突き進んでいく。


そして、掲示板の見える位置に到着。


はぁ……やっと見れるよ、掲示板。


でも、ドキドキするなぁ。