あの事故から、4年後の春。


私は、15歳の高校1年生になった。


小学校と中学校は、地元の学校だったけど。


高校では新たな出会いを求めて、私は地元から少し離れた学校へと進学した。


そして、高校の入学式から数日が経ったある日の放課後。


私の姿は今、校庭にあった。


ほんと……綺麗だなあ。どれだけ見ていても飽きない。


そんなことを思いながら、私が校庭の満開の桜の木をじっと見つめていたときだった。


「危ないっ!」

「えっ?」


突然大きな声が聞こえ、そちらに目をやると。

サッカーボールが、私のほうへと向かって勢いよく飛んで来ていた。


うっ、うそ!? このままじゃ、ボールが顔に当たっちゃうー!


そう思い、私が咄嗟に目を閉じたとき……。


「俺に任せて」


え?


私の目の前に突然現れた黒髪の男の子が、飛んできたサッカーボールを胸の前で受け止めると、それを青空へと向かって蹴り上げた。


だっ、誰!?