それから更に数日が経ち、2学期の終業式。


この日の放課後。私は、千葉くんを誰もいない学校の体育館裏へと呼び出した。


今日は朝からずっと、空はグレーの分厚い雲に覆われていて。吐く息は白い。


千葉くん、来てくれるかな?


もし来てくれなかったら、どうしよう。


ホームルームのあと、急いで体育館裏までやって来た私が、ドキドキしながら待っていると。


「えっと、橘さん……?」


しばらくして、千葉くんは来てくれた。


彼の姿を目にした途端に、心拍数が急上昇する。


「あっ、あの。急に呼び出しちゃってごめんなさい。千葉くん、来てくれてありがとう」


まずは千葉くんが来てくれたことに対してお礼を伝えながらも、緊張で足元がガクガクと震える。


心臓が口から飛び出してきそうだ。


「それで、話って何かな?」

「あっ、はい。えっと……」


やばい。頭の中で、何度も告白のイメージトレーニングをしたはずなのに。


いざ千葉くんを目の前にすると、頭の中が真っ白になって言葉がなかなか出て来ない。


「あっ、あの、私……ずっと、千葉くんのことが……好きでした!」