スポーツドリンクを初めて彼に渡せたあの日以来、私は毎日千葉くんの部活の応援に行くようになった。


部活の終了後、ファンの子たちに紛れて私がスポーツドリンクを渡すと、千葉くんはそれをいつも受け取ってくれた。


その度に嬉しくて。千葉くんを想う気持ちは、日に日に大きくなっていった。


「ぎゃはは。春翔なにそれ、最高!」

(しゅう)、お前笑いすぎだっつーの」


学校の廊下の反対側から友達と歩いてくる千葉くんとすれ違うだけで、ものすごくドキドキした。


私、今ほんの少しだけでも千葉くんの視界に入れてたかな? 入れていたら……いいな。


「ちょっと、美桜! 千葉くんばっか見てないで、早く音楽室行こう。授業に遅れちゃうよ」

「あっ、うん」


いつも男友達と楽しそうに話す千葉くんを見ていて、彼の隣にいられるその友達が羨ましくなったりもした。