「美桜、いま千葉くんと普通に話せてたじゃない」
香菜がニヤニヤしながら、こっちを見ている。
「さっき、香菜が背中を押してくれたから」
「そう。良かったね。あたしで良ければ、いくらでも背中押してあげるよ?」
「ありがとう」
千葉くんと久々に話せて。
香菜のおかげで、スポーツドリンクも今日初めて渡せた。
そして千葉くんが『美味しい』って言って、自分の目の前でそれを飲んでくれて。
『そのドリンク持って、また応援に来てよ』とまで言ってくれた。
どうしよう。今ここで、飛び跳ねちゃいたいくらいに嬉しい。
「美桜、にやけすぎ」
「だってぇ」
「美桜の気持ちも分からなくはないけどさ。まぁ、これからも頑張りな?」
「うん!」
今日、千葉くんが私に言ってくれたから。
絶対にまた今日と同じスポーツドリンクを持って、彼の応援に行こうと決めた。