「だから、美桜。俺と、付き合って」

「……はいっ」


私は、春くんの顔を見上げて微笑む。


記憶がなくても、私はこうしてまた春くんに恋をした。


何度春くんに振られても、好きって気持ちだけはなくならなくて。


春くんのことを今日までずっと、想い続けてきて良かった。


「えっと。ちなみに確認なんだけど、前に春くんが自分に告白してきた女の子に言ってた『好きな子』って言うのは……」

「もちろん、美桜だよ。俺が好きなのは、今も昔もずっと、美桜だけだから」


春くん……。


この恋は、もう叶うことはないって思っていたけど。


こんなふうに春くんと、両想いになれる日が来るなんて。


幸せすぎて、胸がいっぱいだよ。


「美桜が俺のことを思い出してくれて、本当に良かった」

「私も。大切な春くんのこと、ずっと忘れていてごめんね」

「ううん。美桜、俺たち……これでようやく、本当の再会ができたな」


春くんの顔が私に近づき、おでこをコツンとくっつけてくる。