「でも、ただの同級生でいるなんて俺にはやっぱり無理だった。美桜と過ごすうちに、どんどん好きになって。いつしか、もっと一緒にいたいと思うようになってた」


春くん……っ。


「それでも何とか、自分の気持ちをずっと、押し殺していたけど。体育祭の日、事故に遭いそうになる美桜を見て。今度こそ、本当に美桜を失ったらどうしよう。そうしたら自分は、美桜に好きだと伝えなかったことを、一生後悔すると思った。だから……」


春くんが、私の目を真っ直ぐ見つめてくる。


「二度も振っておいて、勝手かもしれないけど。今度こそ正直に言うよ。俺は、美桜が好きだ。だから……友達じゃなく、これからは恋人として、俺のそばにいてくれないか?」


目頭が熱くなって。涙がつっと、頬を伝っていく。


「ほっ、ほんと?」

「ああ、本当」


春くんが私の頬を伝う涙を、指でそっと拭ってくれる。