千葉くんにそんなことを言われたら……彼を諦めるどころか、好きって気持ちがまた加速してしまう。
やっぱり、千葉くんのハチマキが欲しい。
私と、学校のジンクスであるハチマキ交換をして欲しいって思っちゃうよ。
だけど……。
私は、自分の頭に巻いている水色のハチマキをそっと外し、それを力いっぱい握りしめる。
ハチマキが欲しいなんて、そんなこと口が裂けても絶対に言えない。
だって、千葉くんには……他に好きな子がいるんだから。
「なぁ、橘。そのハチマキ……」
私が手にしているハチマキを黙って見つめていると、千葉くんが口を開いた。