そして、千葉くんがグンッと横から2組の男子を抜き去った。


「ワーーーッ!!!」


今日一番の大歓声に包まれるグラウンド。


そしてそのまま千葉くんが1位をキープし、満面の笑みでゴールテープを切った。


「きゃーーっ」

「やったあ! うちのクラスが優勝だよぉ」


近くに来た香菜と手を取り合って、私はぴょんぴょん飛び跳ねる。


すごい、すごいよ千葉くん!


本当に1位を取っちゃうなんて……!


力強い見事な走りを見せてくれた千葉くんは、すごくかっこよくて。


誰よりも、キラキラと輝いていた。


『たとえどんな順位でも、俺が橘からもらったバトンを一番にゴールまで運ぶから』


見事に有言実行した彼に、感動で胸が熱くなって。


私は、思わず泣いてしまいそうになった。