護衛が増え、一人の時間は終わった。

 美形二人組を引き連れるプレッシャーがすごい。


 御鏡先輩のオーラが強いから霞んじゃうのかもしれないけど、使用人さんもなかなかなんだよね。

 あ、そういえば……。



「……ごめんなさい、先輩のお名前って……?」



 恐る恐る、使用人さんに問いかける。

 今さら知らないっていうのも失礼だ。



「自己紹介が遅れました。騎馬(きば) (つるぎ)と申します」



 自己紹介すら、無駄のない所作だ。

 無表情でありながら、圧はそこまで感じない。どっちかといえば、御鏡先輩の方がある。



「騎馬先輩、よろしくお願いします」

「剣で構いません。皆そう呼びます」

「え……はあ、じゃあ……」



 そう呼ばせてもらおうかな……?