悩みの種が一つ。



 ──『玉露は俺と苹果がデートすることを止めないらしい』



 ……あれって、本当に?



 その場で話が流れちゃってから、何度も玉露くんに確認しようとした。なんか、できなかった。

 だって「本当だよ」って言われちゃったら。


 断る理由が、あんまりない。


 別に玉露くんが言ったから行くわけじゃないけどね……!?

 ただわたしはわりと、もう、御鏡先輩のことを許してるところ、あるし……。



 うーんうーんとうなり声をあげる午前八時。休日の朝。

 ベッドの上を転がっていたら、スマホが音を立てて通知をしらせた。


 玉露くんからのメッセージだ。



『今日母さん休みだから、来なくてもいいかも』



 ……、はあ。

 色んな人に気を遣わせてて、嫌になってくる。