トレーを持って席につき、緩やかに絶望する。
こんなんだから……わたしがバカすぎるから玉露くんは……っ。
「「……はあ」」
ため息は、偶然にも隣のテーブルに座っていた人と被ってしまう。
ちらっと盗み見ると、相手はわたしを気にする興味もないらしい。
「やっぱりそういうことかもな」
「まだ決まったわけではないですが」
向かい合って座る男の子二人組。
なんとなく気品を感じるから、ちょっとだけ場違いかもしれない。何かの撮影だって言われた方が納得できる。
よく見れば店内にいる女性の視線を独占していた。
確かに二人ともかっこいい。
モデルみたいに手足が長い。黒髪。
二人の要素は言葉だけ並べると同じだけど、雰囲気は違って見える。
厳格な王様と真面目な側近って感じ。わたしの真隣でため息をしたのは王様の方だ。