「苹果にも礼はデートにしろと言っているんだ。玉露からはその許可がほしい」

「……え?」



 眉間のシワが若干濃くなった。そうだ、その顔。俺の想定通り。



「どうして僕が? 苹果ちゃんが拒否してるなら、それでいいと思うんですけど」



 どうしてか。

 本人達には自覚がないらしい。


 全く。特別に教えてやる。



「苹果は、玉露がいいと言うなら俺とデートするからだな?」



 彼女は必ず玉露の反応を気にしている。

 前に謝ってきたときも玉露の目を盗んでいたようだしな。


 今のところ、苹果が一番大事にしている人は玉露だ。

 難しい話、まずはそこを壊さないと、こちらを振り向きそうにないだろう。