視界を遮る手に触れる。

 顔色を確認しようとしたのがダメだった可能性を考えた。さっきみたいに赤くなるのを見られたくないとか。



「目閉じてたら、これ外してくれる……?」



 甘えるのに、慣れてないんじゃないかなあ……。

 昔からしっかり者だったし、わたしが甲斐性なしだから。


 すぅっとまぶたの外が明るくなっていくので、探り探りに腕を伸ばす。

 頭の丸みを見つけ、自分の胸に寄せた。


 ぎゅっ……。


 なんだか、わたしまで安心する。

 彼がどんな思いを抱えているのか、まだわからないけど。

 今は、玉露くんもおんなじ感覚だったらいいな……。


 目を閉じて、ベッドに横になって。

 温かいものを抱えていると、眠気が襲ってくるのは必然的。


 例に漏れず、わたしもそのままどんどん意識を遠ざけてしまった。









「……苹果ちゃんは僕だけのものでいいはずなのにね」