玉露くんの顔色を窺おうとしたところ、



「んわっ」



 目の周りを手で隠された。



「はー……こんなの、むり……」

「む、無理って? 玉露くん、言ってくれないとよくわかんない……」



 理解力がなくて申し訳ないんだけど。

 力、強かった?


 真っ暗な視界じゃ余計に玉露くんの考えが読めない。

 ギシ、とベッドが軋む音がした。玉露くんが見下ろしてるんだと気配で感じ取る。

 力加減を心配したことで、少し緩めたわたしの腕は簡単に解かれた。



「言ってもいいの? 僕が苹果ちゃんをどうしたいとか、しないでほしいとか」

「……どうしたいの?」


「……言わないよ」



 言ってよ!


 気持ちが全然噛み合わない。

 玉露くんのためになりたいだけなのに……。