「おそらく苹果が察した通り、俺も自分がフォークだとまだ認めきれてないところはある。でも、そんなことで沈み続けるわけにもいかない。この先ずっと付き合っていくことだからな」



 わたしがケーキだと言われて否定したくなったのと同じくらい、フォークだなんて信じたくなかったと思う。

 それでも御鏡先輩は、ちゃんと現実を受け入れようとしてるんだ。



「慣れていくしかないんだ。誰が悪いとかも、特にない。味がないと美味しくないのは事実だし、不快にはなっていないから安心してくれていい」



 自分を持ってる人だなあ、と眩しくなった。

 感情に流されない強さを持った、まさに皇帝。



「とはいえ、わざわざ言いに来てくれた気持ちは嬉しい。ありがとう」

「だって、御鏡先輩は謝ってくれたじゃないですか……」



 それなのにわたしはちゃんとしないって、よくないよね……。