無意識に首を押さえていた。玉露くんがそっと触れてきたことで自分でも気付く。
「もしかして……あの人が?」
「……う、うん」
席から立ち上がり、ドアへ歩き出す玉露くん。わたしもゆっくり付いていく。
玉露くんと皇帝と呼ばれた先輩が対峙する。
「俺が呼んだのは白亜 苹果だな」
「僕、苹果ちゃんの幼なじみなんです。苹果ちゃんが何かしちゃいましたか……?」
にこにこと人当たりの良い笑顔で会話を進めようとする玉露くんに対し、先輩は涼しい顔で答えた。
「したのは俺だ」
そうだ。されたのはわたしだ。
……ん? じゃあわたしに文句言いに来たってわけでもないのかな。
だとしたら何を……。