「せ、先輩が……フォークだってこと、言いふらしてほしくないって言ってたの」

「あー……僕らが周りに言わなかったらいいってこと?」

「う、うん。わたしも、困る気持ちはわかるから……」



 ケーキに置き換えても一緒だ。

 好奇の目で見る人は少なからずいるだろう。


 だからきっと、玉露くんも理解してくれるはず……。


 ドキドキしながら返事を待つ。

 玉露くんは目線をわたしと一切合わせることなく、箸でハンバーグを割った。



「気を付けるよ。──って、言いたいところなんだけど」



 え。



「ごめん。もう言っちゃった」



 え、え。



「だ、誰に……?」

「母さん」



 ……ど、どうなんだろう、それは。

 許される範囲なのかな。