「苹果ちゃん、もうちょっと柄は上持って」
早速指摘が入りました。
「ここら辺ね」
修正してもらう。持ってる部分が端すぎたみたい。
……スマートにいかないなあ。
「こ、こう?」
「いいね。猫の手は、完璧」
緩く微笑んでくれた。それだけなのに、泣きそうになる。
玉露くんと仲良くできて……嬉しい。
日常だったものが極上の幸せだったんだと心底感じる。
大好物を味わうように、しみじみと喜びに浸った。
歪な形に切られた野菜。特に、キュウリは厚さがバラバラで見映えが悪い。
今はまだまだ、下手だけど。
ちょっとずつ覚えていくから、いつかわたしが一人で作った料理を玉露くんに食べてほしい。
わたしは、玉露くんとの未来があるって信じてる……!