「晩ご飯、わたしも作ってみていいかな?」



 キッチンに立つ玉露くんの背後で勇気を出してみた。


 わたしが玉露くんにやってもらってることといえば、料理だ。


 自立への第一歩。いつか一人になったときでも不自由しないように……とか、考えてたら立派なんだけど。

 とりあえず今は玉露くんの負担を減らして、わたしの役に立つところを見せたい。


 お願い……まだチャンスをちょうだい。

 玉露くんの近くにいられる希望を見させて。


 玉ねぎを切っていた玉露くんの手が止まる。



「なんで?」

「さ、最近、料理に興味が出てきて……!」


「嫌いな食べ物隠したりしない?」

「しないよお!」



 今までの行いが悪くて、真面目さが伝わってない!