週明けの月曜日。

 学校に着くなり、トイレへ行くふりをして玉露くんから逃げた。



「……はあ」



 個室で息をつく。

 
 ……うまく、振る舞えてたかな。


 いつも通り、よりも言動に気を付けたわたしになれてただろうか。


 玉露くんの気持ちを聞いて、問題がなかった。

 めでたしめでたし。



 ──なぜなら問題はわたしにあったから。



 ポケットからスマホを出し、メッセージを確認する。



『うまくやれたか?』

『はい』



 デートが終わり、玉露くんとも別れた後に来た那由多先輩とのやり取り。



『やれてないんだろ』

『そんなことないです』

『すっきりしてる返事じゃない。気になること残して解散しただろ』



 なぜかこっちの心境を当ててくるから、苦笑が出るほどだった。