ガシャーン!


 カフェオレのグラスが地面に叩きつけられた。

 や、やっちゃった……。

 ドッ……と心臓が高速で動き出し、汗が滲む。


 すぐに店員さんが「お怪我はありませんか!?」と飛んできてくれる。

 王様に腕を掴んでもらえたことでわたしの転倒は免れていた。



「ご、ごめんなさい。ごめんなさい」



 王様と店員さんの両方に謝る。

 店員さんには割れてしまったガラスの破片を踏まないように、離れることをお願いされた。

 王様には──。



「あえっ、な、なにっ」



 お店の外へ引っ張られていく。

 駐車場まで連れていかれると、車の影に追いやられた。


 そ、そんなに怒ってるの……?

 やばい、ちょっと怖いかも……。