「今度はあの飛行機に乗ってみたいな」

 今すぐには無理だと思うから、今後もこうして空港に足を運び、飛行機に乗りたいって気持ちを膨らませていったら本当に乗れる気がする。大翔が操縦する飛行機に乗れる日も近いかも。

 期待と夢は膨らみ続け、一時間ほど展望デッキで飛行機を眺め続けた。


「うわぁ、すごい」

 さすがに一時間も経つと身体の冷えが限界に達し、私は空港ロビーに戻ってきた。ロビーには多くの店が並んでいて、どこも多くの人でいっぱいだった。

「あ、雪乃さんが食べたいって言っていたプリンだ」

 都内に本店を構える洋菓子店も出店していて、なんと空港限定味のプリンが出ていた。さっそく長蛇の列に並んで無事にプリンを買うことができた。

 他にも様々なものが売られていて、目移りしてしまう。そうこうしている間に時間は過ぎていき、気づけば十六時を回っていた。

 嘘、もうこんな時間? 大変だ、大翔が搭乗している便が着いてしまう。

 急いで到着ロビーへと向かってたどり着くと、多くの乗客が降りてきた。必死に大翔の姿を探すが、見当たらない。

 あれ? でもたしかパイロットは最後に降りてくるんだったよね?