次の日の昼過ぎ。私は空港へと向かった。昨夜は楽しみだったけれど、いざ向かうとなると緊張する。

 電車の中で深呼吸をして窓から見える景色に目を向けた。空港が近づいてきたから飛行機が見えた。

 私が今朝、空港に行ってくると家族に伝えたところ、みんな驚いていた。でもすぐに兄には心配され、祖母にも「無理に克服をしなくてもいいんだよ」と言われる始末。

 しかし雪乃さんだけは違った。心配する兄と祖母を宥めて「気をつけていってきてね」と笑顔で送り出してくれた。

 大翔とだけじゃなく、近い将来生まれてくる兄と雪乃さんの子供も一緒に家族みんなで旅行にも行ってみたい。そのための一歩だ。

 大翔は十六時十分着の便で帰ってくると言っていた。空港には様々なお店があるっていうから、見て回りながら時間を潰して過ごそうと思っている。もしかしたら働く大翔を見ることができるかもしれないから。

 よくドラマで搭乗を終えたパイロットがロビーを移動する場面がある。運が良ければ、その場面を見ることができるかも。