するとまた写真が送られてきた。どうやら彼が今食べている朝食のようだ。

「美味しそう」

 いつか大翔と異国の街並みを散策して、こんな美味しそうなご飯を食べられる日が来たらいいな。

 自然とそんな想像をして照れ臭くなる。もうかなり私ってば大翔に惹かれていない? 一緒に街を散策するのは兄や雪乃さん、祖母だっていいじゃない。それなのになぜ真っ先に大翔が浮かぶのよ。

 ひとりで赤面しては足をばたつかせて恥ずかしさを発散していると、大翔から【もう寝た?】とメッセージ文が届く。

 すぐに【寝ていないよ】と返信して、なんとなく今日の出来事を大翔に伝えたくなって打ち込んでいく。少しして返事が届き、メッセージ文を目で追った。

【それは嬉しかっただろう。今日のような客がひとりでも多く増えるといいな。だが、ひとつだけ言わせてくれ。俺だって桜花が好きな着物の話を一緒にしたくて、勉強をしているんだ。だから戻ったら勉強の成果を発揮させてくれ】

「嘘、本当に?」

 言葉に出たままを送ると、【本当だ。そうだ、今度の休みはふたりで着物デートをしないか?】と来て胸がきゅんとなる。

 今まで友達に着物で一緒に遊びに行かないかと誘っても、動きづらいし注目を集めそうで嫌だって理由で何度も断られてきた。