「なにかあったら、いつでも言うんだぞ? どんな些細なことでもだ」

「うん、ありがとう」

 大人になっても過保護なところは昔から変わらない。たまに心配性なところもあるけれど、それも含めて兄のことが大好きだ。

「さてと、ちょうど客足が途切れたし、交代で昼飯を食うか」

「そうだね」

 午後になると観光客を中心に店内は賑わい、閉店時間まで客足が途切れることはなかった。

 疲労困憊で帰宅後、みんなで夕食を済ませてお風呂に入って一息ついた。

 自分の部屋でスマホを片手にネットニュースなどを見ていると、大翔からメッセージが届いた。

 まずは写真が二枚送られてきて、綺麗な青空の写真とロンドンの綺麗な街並み。

【まだ起きてる?】のメッセージに対して【起きてるよ】と返信したら、すぐに既読が付いた。

「えっと……いつか一緒にこの空も綺麗な街並みも見よう」

 届いたメッセージ文を読んで、顔が熱くなっていく。

「だから本当にこうやってサラッと照れることを言うのはやめてほしいって何度も言っているのに……」

 今日、飛行機への恐怖心を克服したいと思ったからだろうか。彼の言葉が嬉しくてたまらなくなる。