だからこそ知りたい。なぜこんなにも私と仲を深めようとしているのかを。

 他に大切な人がいて、それでも私と結婚しなくてはいけないのなら、愛は必要ないのでは?

 わざわざ自分に恋をさせる必要もなく、結婚さえすればいいんじゃないの? 

 大翔の考えがわからないからこそ知りたい。なにを思って私にアプローチしてくるのかを。

「今度は私のオススメのお店に行くんでしょ? ……休みがわかったら連絡して。予定合わせるから」

 一緒に過ごす時間を増やせば、その答えにたどり着くかもしれない。そのためにもできるだけ会うべきだ。

 その思いで言ったというのに、大翔は嬉しそうに頬を緩ませた。

「あぁ、わかったよ。帰ったらスケジュールを確認してすぐ連絡する」

「うん」

 すると大翔は愛おしそうに私を見つめる。

「デート、楽しかった。今度は少し遠出しよう」

「……うん」

 ただ食事をしただけだけれど、私も大翔と会って話ができて楽しい時間を過ごすことができた。