今から小学校に入って中学校、高校、それから大学……? もっと先まで勉強をしなくてはいけないかもしれない。

 そんな遠い未来まで桜花は俺のそばにいてくれるのか不安になってしまった。そんな俺の不安を消すように彼女はとびっきりの笑顔で答えた。

「もちろんだよ! それに私、ずっと大翔君と一緒にいたいもん」

「……本当に?」

 ずっと一緒ってことは、大きくなったら結婚してくれるということ?

 胸が高鳴り、愛らしい笑顔の桜花にそっと聞いた。

「じゃ、じゃあずっと一緒にいるために、俺も桜花ちゃんも夢を叶えたら結婚してくれる?」

「結婚?」

 小首を傾げた彼女は、結婚がどういうものかわからないのかもしれない。そう思って説明するよりも先に彼女が話し出す。

「それってパパとママのこと?」

「そうだよ、結婚したらパパとママみたいに一緒に暮らしてずっと一緒にいられるんだ」

 説明すると理解してくれたようで、桜花は「そっか」と呟き、首を縦に振った。

「大翔君、大きくなったら結婚しようね」

「う、うん。絶対だよ?」