俺もやっぱり飛行機を操縦してみたい。桜花と話してその思いは強くなった。

「うん、俺も頑張る」

「じゃあ約束」

 そう言うと桜花は小指を立てた。これは指きりをしようということか?

 約束として指きりしようという純粋な桜花とは違い、彼女に触れることに緊張してなかなかできずにいると、桜花は不安げに言った。

「私と約束するのは嫌?」

「え? ううん、まさか!」

 彼女を悲しませてしまったことに気づき、慌てて指切りをした。すぐに笑みを見せ、桜花は満足そう。

「約束したから、私も大翔君も夢を叶えなくちゃね!」

「……うん」

 最初は反対されるかもしれないけど、桜花との約束を破りたくない。その思いが強くなると同時に、彼女に対する気持ちも大きくなっていく。

「ねぇ、桜花ちゃん」

「ん? なに?」

 可愛らしく返事をする桜花に聞きたくなった。

「俺がパイロットになるのは、すごく大人になってからだと思うんだ。……それまで桜花ちゃんはずっと俺のそばにいてくれる?」