「え! 本当ですか!?」

 びっくりして祖母と顔を見合わせてしまう。

「はい、母子ともに健康です。今はご家族でお過ごしされていますので、少々お待ちください」

「ありがとうございます」

 看護師に案内された廊下の椅子に座っても、私も祖母も興奮が収まらない。

「どうしよう、おばあちゃん。手が震えてる」

「私もだよ」

 もうすでに誕生していると聞いたら、早く会いたくてたまらない。少しして看護師に連れられてやってきた病室に入ると、雪乃さんが愛おしそうにタオルに包まった赤ちゃんを抱いていた。

「おめでとう、雪乃さん」

 静かに駆け寄って見ると、赤ちゃんは眠っていた。

「あらー、小さくて可愛いねぇ」

 祖母は生まれたての曾孫にすっかりメロメロ状態。

「ありがとうございます。三二五〇グラムの元気な男の子です」

「よく頑張ったね、雪乃さん。お疲れ様」

 労いの言葉をかけた祖母は、次にベッド脇の椅子に座って泣いている兄を呆れた様子で見る。

「栄臣はなにしてるんだい? そんな子供みたいに泣いて」

「分娩室に入ってからずっとあんな調子で……」