どうにか返事をすると、桜花はまた笑顔を見せてくれて、俺の手を引いて歩き出した。

「お友達になったから、これからいっぱい遊びに来てくれるでしょ? その時に困らないように大翔君にうちを案内してあげる!」

 そう言って桜花は俺の手をずっと握ったまま、お店から家の中の隅々まで教えてくれた。

 自分の部屋では宝物を見せてくれたり、庭先に出ればいつもどんな風に遊んでいるのかを教えてくれたり。コロコロと表情を変えながら話す彼女から俺は目が離せなくなった。

 帰る頃にはすっかりと俺は桜花に心を開いていて、それから頻繁に会うようになっていく。

 次に会った時には桜花の兄、栄臣もいて最初はなかなか打ち解けられなかったものの、栄臣とはゲームの話で盛り上がり、三人で会う時はゲームをするようになった。

 そうなると、ますます桜花の家に行くのが楽しみで祖父に限らず、両親に連れていってほしいと懇願するほど桜花に会いたくてたまらなかった。

 次第に仲を深めていく俺たちを俺の家族も桜花の家族も喜んでいて、彼女がうちに訪ねてくることも多くなっていった。