「そっか……」

 じゃあその人と出会ったのは、五歳の頃なのかな? その頃から写真が多く抜かれている。でもこんなに写真を多く撮るほど頻繁に会っていたってことだよね?

 ますます忘れてしまったことに罪悪感を覚える。

 次のページを捲ると、空港での一枚があった。

「この写真……」

 私が空港のロビーで飛行機を見て目を輝かせているものだった。同じページの写真は抜かれていて、その一枚しかなかった。

 ということは、忘れてしまった子と空港でたくさんの写真を撮ったということ。

「懐かしいな、その写真。みんなで空港に行った時、桜花がその子に空港を案内してもらっている様子を撮ったものなんだ」

「そうなんだ。……私、その子と一緒に空港まで行ったんだね」

 昔の私は飛行機を見て目を輝かせるほど平気だったんだ。好きだったってことだよね? それは忘れてしまった子の影響なのかな?

 案内してくれたってことは、その子も飛行機が好きだったのかな。

「空港だけじゃないぞ。本当に毎日といっていいほど頻繁に会って遊んでいたよ。ちなみに俺も一緒に遊んだんだからな?」

「え? じゃあお兄ちゃんもその子と仲良かったってことだよね。今も仲が良いの?」

 思わず聞いてみたところ、兄はあからさまにギクッと身体を反応させた。

「え!? い、いやーどうかな。仲が良いっていうのか……?」