なんて言い訳をする大翔に呆れつつも、好きな人に可愛いと思ってもらっているのは嬉しくもあり、複雑な気分になる。

 駐車場に着くと、紳士な彼は助手席のドアを開けてくれた。そして自宅までの道のりの間も、話を振ってくれて楽しいやり取りが続いた。

「しばらくは国内線のみのフライトだから、比較的時間は取れると思うんだ。都合が合えば今度飯でも食いに行こう」

「うん、わかった」

 自宅に着くと、彼はわざわざ車から降りて玄関まで私を送り届けてくれた。それは私を心配してのことだとわかってはいるが、なんとなく離れがたくなり、なかなか別れの言葉を切り出せない。

「あの、よかったらお茶でも飲んでいく?」

 もう少し一緒にいたくて勇気を振り絞って言ったところ、大翔は目を丸くさせた。だけどすぐに頬を緩めてクシャッと笑う。

「嬉しい誘い文句だけど、今日はやめておく。明日は仕事だろ? ゆっくり休んで」

「そ、そうだよね。ごめん」

 大翔は私のことを思ってくれているのに……! 恥ずかしい、穴が目の前にあったら入りたい。

 居たたまれない気持ちでいっぱいになり、「それじゃまた」と言って玄関のドアを開けようとした時。