「うん、本当。大翔のことが好き。たとえ大翔が私のことを好きじゃないとしても……きゃっ」

 話の途中で腕を引かれて抱きしめられ、大翔のぬくもりに包まれて一瞬息が詰まる。

「どうして俺の気持ちを否定するんだ? 何度も好きだって伝えているだろ?」

 さらに強い力で抱きしめられ、心臓が止まりそうで声が出ない。

「もういい加減、俺の気持ちを受け入れてくれ」

 ため息交じりに言って大翔はゆっくりと私の身体を離した。そして両肩を掴んで、真剣な眼差しを向けた。

「俺は桜花のことが好きだ。……だから、俺の想いは届いたと自惚れてもいいんだよな?」

 不安げに眉尻を下げて言う彼を、もう信じられないなんて言えない。信じていいよね、大翔は本当に私のことを好きなのだと。想いが通じ合えたのだと。

「うん、自惚れていいよ。……もう大翔の気持ちを疑わない、信じるよ」

 安心させたくて両手で彼の頬に触れると、大翔は私の手をギュッと握った。

「あぁ、信じてくれ」

 再び苦しいほど抱きしめられ、大翔は「夢みたいだ」と呟いた。