「だけど仕事に対する姿勢は尊敬できるし、意地悪だけど優しい人だってわかって、私の夢も応援してくれた。それは嘘じゃないとわかったし、本心で言ってくれたと信じたい。……信じてもいいよね?」

「当たり前だろ? 桜花に伝えた言葉に嘘はひとつもない」

 すぐにそう言ってくれた大翔に、目頭が熱くなる。

「大翔と一緒に過ごす時間を重ねるほど、大翔の気持ちが信じられないと思う一方で惹かれている自分もいたの」

 告白染みた言葉に、大翔は目を見開いた。

「え? どういうことだ?」

 いつになく動揺する大翔に、緊張が解けていく。

「自分の気持ちを自覚したのは、大翔が大場さんと一緒にいるところを見てだった。だからこの前も嫉妬しちゃって、あんなに取り乱しちゃったの。……本当にごめんなさい」

 深々と頭を下げてから顔を上げると、大翔は状況が飲み込めていないようで微動だにしていない。

 おかげでつい笑ってしまうほど緊張は完全に解けた。

「大翔のことが好き」

 初めて口にした『好き』って言葉に、大翔は震える声で「本当か……?」と聞いてきた。