胸の高鳴りは収まることなく、息苦しさを覚えるほど。それはきっと大翔のことが好きだと自覚したからかもしれない。

 だったら私も伝えないと。……たとえ、大翔が私の告白を聞いて困る素振りを見せたり、やっぱり私と結婚しなくてはいけない理由があったとしても。自分の気持ちだけは彼に知ってほしい。

 その思いが強くなり、自分を奮い立たせた。

「私のほうこそごめんね」

「えっ?」

 突然謝った私に、大翔は驚いた表情を見せた。

「ずっと大翔の気持ちが信じられなかったの。いくら上杉のおじさまから私の話を聞いていたとはいえ、会ったことはなかったでしょ? それなのにお見合いしたその日に求婚なんてしないでしょ? だから絶対になにか理由があると思ってた」

「そう思われても仕方がないな」

 苦笑いしながら力なく言う大翔に、やっぱり私との結婚になにか理由があるのかと不安が募る。

 だけど、もうどんな理由があったとしても私が彼を好きになった事実は変わらない。仕事に真摯に向き合う姿にも、私の夢の話を真面目に聞いて応援してくれたことにも、よくからかってくるけれど、優しくて真面目な人だってことにも、すべてに惹かれてしまったのだから。

 これから伝えることを考えただけで緊張するけれど、全部大翔に言いたい。