次の日、隣の席に座る柳瀬は、いつも通りのクールなポーカーフェイス。

 だけど、どこか元気がなさそうな気がする。


「来年がんばればいいじゃん。だって、柳瀬にはもう一回チャンスがあるんだからさ」

 ぽんっと柳瀬の肩を叩きながら明るく言うと、あたしも隣の自分の席に腰を下ろす。

 そんなあたしに、柳瀬はすべてを凍らせてしまいそうなほど冷たい視線を向けてきた。

「先輩たちに、来年はないんだよ」


 わかってるよ、そんなこと。


 けど、だったらあんたはいつまで引きずるわけ?

 そんなことしてたら、先輩たちは喜ぶの?


 ……あたしはただ、柳瀬に元気になってほしかっただけなのに。